コラムとブログ PR

ドル建て対外債務で売り予想【リバウンド相場に終止符】

本ブログは記事内に商品プロモーションを含む場合があります

9月の暴落からリバウンド相場を続けてきたトルコリラ。ここに来て悪いニュースです。ドル建て対外債務の支払いです。12月に大規模な支払いがあると報じられています。

ここまではリバウンド要因として米国との関係改善が取り沙汰されていました。しかし、この材料も賞味期限切れの様子。チャート上も上昇の勢いがなくなってきました。

今回は、対外債務を材料にトルコリラを売り目線・買い目線の両方で予想を立てたいと思います。

トルコリラのリバウンド相場に陰り

トルコリラは9月の暴落時から順調にリバウンド相場を続けてきました。しかし、ここに来てリバウンド相場に陰りが見えてきています。ダイバージェンスの出現です。

チャートを見てみましょう。以下はトルコリラ円の日足チャートです。

トルコリラ円のリバウンド相場に陰り

管理人は、チャートにRSI(Reletive Strength Indicator)を表示させています。簡単に言って、為替レートの強さを意味するインジケータですね。

このインジケータに上昇の勢いがなくなってきました。相場参加者が買いの手を緩めているのです。理由は何でしょう?というのが、今回の記事のテーマです。

管理人は、この相場の弱さを「ドル建て対外債務の支払い」にあると考えます。どういうことなのか解説していきましょう。

ドル建て対外債務の支払い期限迫る

トルコは対外債務国であることはご存知の通りです。実は、その債務の大規模な支払いが9月から始まっています。その総額は約1790億ドル。この金額の支払い期限が一年以内に到来するのです。

以下は、その詳細を語ったロイターのニュースです。

[ロンドン 29日 ロイター] – トルコが来年7月までの1年以内に返済期限が到来する対外債務は約1790億ドル(約20兆円)で、年間国内総生産(GDP)のほぼ4分の1に達する──。JPモルガンは調査ノートでこうした試算を明らかにした上で、通貨危機に襲われている経済が急速に縮小する恐れがあると警告した。

これらの対外債務のうち、銀行を中心とする民間部門が抱えているのがおよそ1460億ドル。政府が返済もしくは借り換えを迫られるのは43億ドル強で、残りは公的機関の借り入れだという。

問題となるのは、公的機関の借り入れですね。政府が返済する43億ドルは何らかの手当がなされることでしょう。一方の公的機関は借り換えがままならない状況に陥るリスクを抱えています。

公的機関というのは、要は市中の銀行です。その銀行が新規の資金調達ができないとなると経済的な混乱は必至。少なくとも、これを材料にマーケット参加者はトルコリラの買い控えを行うことでしょう。

実際問題、ロイターでは以下の内容にも触れています。

JPモルガンは「向こう1年で必要な資金手当ては規模が大きく、市場へのアクセスは難しくなっている」と指摘。中央銀行のデータに基づいて計算したところでは、年内に期限を迎える債務が320億ドル前後存在し、9月と10月、12月にそれぞれ大規模な支払いが発生する。

ただ「国際的な銀行は少なくとも一部のトルコ向け融資を減らす公算が大きいので、元本の借り換えはいくつかの借り手にとって厳しい状況になってもおかしくない」とみている。

9月、10月と来て、最後の大規模な支払いが12月とのことです。9月、10月にもトルコリラは暴落しましたから、12月の支払い前にもリスクオフのムードが流れてしまってもおかしくありません。

この記事を書いているのが11月の初旬。12月の支払い期限が迫っていることを考えれば、トルコリラのリバウンド相場に陰りが生まれた原因が見えてきます。

12月の山場を迎えた後に二番底か

実を言うと、トルコリラはまだ9月の暴落から二番底を付けていません。リバウンドはリバウンドでリラ買いのトレンドではあるのですが、飽くまで短期の値動きです。長期的にトルコリラが上昇するには、二番底を付ける必要があるのです。

そこでトルコリラのチャートをもう少し広い目線で見てみましょう。以下は9月の暴落が始まった頃からの日足チャートです。

トルコリラの二番底を予想する

管理人の相場予想は上記の通りです。トレンドラインはいつかは割るもの。一旦、下落してからが本当の山場になると考えます。

山場は、やはり12月の債務支払い期限を迎える前後でしょうか。逆算すると、この記事を書いている11月初旬が下落の起点になると考えます。管理人は、すでに直近のピークで売り目線に転じています(※あくまで個人的な予想です)。

トルコリラの長期ポジションは債務支払い後に

以上の通り、ドル建て対外債務の支払いを材料に売り予想を建ててみました。では、買い予想はどうでしょうか。勿論、二番底の後が勝負です。

長期的な材料として、トルコの政策金利引き上げが功を奏しています。また、長年トルコを悩ませたシリア問題も一服し、これから経済復興という局面です。一時期ほどの酷い下落はしばらくはないと考えています。中長期的には買いだと思います。

インフレ懸念もありますが、それを差し引いても政策金利24%は魅力的な数字です。以下の記事では、ざっくり10年後の利益を皮算用してみました。併せてご覧ください。

関連記事:10年後のトルコリラ運用利益はいくらか【検証結果を公開】

時期から考えて、12月の中旬頃が買いのタイミングでしょうか。その頃は海外の機関投資家もクリスマス休暇に入り、市場も落ち着くのではないかと思います。その後に来るのは、新年のリスクオン相場ですかね。

うまく予想が当たれば良いなと考えます。以上、ご参考までに。

※この記事は、管理人個人の主観的な相場観を示した内容となっております。将来に渡る事実を保証するものではないことをご承知おきください。FXは自己責任です。投資の最終判断はご自身で行ってください。