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なぜ、あの暴落予想は当たらないのか?

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2019年10月9日、トルコ軍は「平和の泉作戦」と銘打ってシリアへの侵攻を開始しました。この事件を受けて、巷にはトルコリラが暴落するとのニュースが飛び交いました。

しかし、10月下旬に至る現在、トルコリラは急回復。底値から5%ほど値を上げた水準で落ち着いています。そう。巷のニュースは軒並み外れたのです。

なぜ、暴落を予想したニュースは当たらないのか?

今回は、そんな疑問にお応えする内容をお伝えしていきたいと思います。FXのファンダメンタルズや需給、テクニカルの読み方を交えて、解説していきましょう。

一流のニュースサイトが暴落を予想しない理由

最初にニュースの質について論じていきましょう。

今回の暴落騒ぎでは、多数のニュースサイトがトルコリラの暴落予想を出しました。あえて名前は伏せますが、ちょっと名前の知られているニュースサイトやブログサイトが次々に「これからトルコリラの暴落が始まる」との予想記事を出したのです。

では、これらのニュースサイトの予想は果たして当たってしまったのでしょうか?

答えは当然“ノー”です。ニュースが発信された後、トルコリラはほんの0.5円ほど値を下げただけで、いまでは何事もなかったかのように上値を追う展開となっています。

ファティマ
ファティマ
ねえ、誰よ!トルコリラが暴落するだなんて騒ぎ出したの!売っちゃったじゃないの!
オメル
オメル
暴落予想なんて当てにするもんじゃないな。誰もが目にするニュースで儲けが出るほど、相場の世界は甘くはないんだ。

結論から書くと、為替の暴落予想ほど当てにならないものはありません。それほど、暴落を予想するというのは難しいものなのです。

一流のサイトほど、この事実を真摯に受け止めています。特にロイターやブルームバーグのような世界的に名高いニュースサイトほど、その傾向が顕著です。なぜなら、彼らの使命は有益な事実を伝えることであって、市場参加者を扇動することではないからです。特に暴落だのと騒ぎ立てて、評判に傷を付けるようなことは決してしません。

ひるがえって、暴落予想を出しているニュースサイトは「いつも外しているあのサイト」です。読者の評判なんて気にならないのでしょうか。目先のPVだけを狙って記事を書いているように思います。ちょっとポリシーが見えてきません。

今後の市場予想を出してよいのは、せいぜい個人のブログだけです。なぜなら公的な責任がないからです。もちろん評判は悪くなりますが、ブログ主の自己責任の範囲で済みます。しかし、パブリックなイメージの強い大手ニュースサイトでは予想記事を出してはいけません。外したら外したで、訂正記事を出すべきでしょう。管理人はそう考えます。

なぜ、シリア侵攻でトルコリラは暴落しなかったのか?

話を元に戻して、今回のトルコリラ相場を振り返ってみましょう。

市場では前述の通り、「トルコリラ暴落!」のニュースが飛び交っていましたが、管理人はtwitter上で異を唱えていました。というのも、暴落するだけの材料が整っていなかったからです。

簡単に言って、暴落が起こるには以下の材料が不可欠です。

暴落が起こる材料
  1. 誰もが予想だにしなかったバッドニュースが出る。
  2. 上記のニュースを材料に対して、機関投資家が売りの判断をする。
  3. すでに十分な量の買いポジションが積みあがっていて、その持ち主達も売りの判断をする。
  4. 新たな買い手が不在。
  5. 売りが売りを呼び、暴落が始まる。

さて、今回のシリア侵攻のニュースはどうだっかというと・・・なんと、整っていた条件はひとつもありません。

まず、材料が良くありません。トルコ軍の侵攻はトランプ大統領のシリア撤退が実現すればあり得た事態です。プロの投資家達にとっては織り込み済みの内容で、予想の範囲内でした。実際、シリア情勢がきな臭くなっていたのはもっと前の話です(1)。

さらに戦争=売りなんて一般大衆が思いつく材料です。プロの投資家にとっては好みの材料ではありません。そこから連鎖する、もっと大きなバッドニュースが必要です(2)。

ついでにトルコリラなんてジャンク級で、とっくに機関投資家の資金なんて抜けています(3)。

また、新たな買い手としてはトルコ中銀が介入していました(4)。

そんな訳で、今回のトルコリラは暴落とは程遠い状況にあった訳です。

相場歴10年のベテラン選手でも難しい暴落予想

では、管理人なら暴落予想ができるか?というお話に移りましょう。結論から言うと、まず無理です。

一応は、世の中には暴落を予想する手法が存在します。例えば、オニールの空売り練習帳に書かれている株の空売り手法があります。この手法を利用すれば、まあ50%程度の確率でなら暴落を予想することができます。しかし、管理人もいろいろ検証してみましたが、それ以上の精度で予想することはできませんでした。

もちろん、管理人もトルコリラの下落を予想することはあります。実際、2016年には暴落を予想して(当該記事)当てています。しかし、当該記事を読んで頂いて分かる通り、暴落予想というよりは、下落トレンドの継続を予想したものです。突如の暴落を予想した訳ではありません。

これでも管理人は為替取引の経験が10年あるベテラン選手です。そんな管理人が出した結論は「暴落予想は難しい(というか、ほぼ無理)」です。ましてや、お抱えのアナリストすら持たないニュースサイトに至ってはどうでしょうか。ろくな精度で予想できないであろうということは、先ほど述べた通りです。

今回のシリア侵攻を巡っては、twitter上でも多くのトレーダーが暴落を予想していました。中には有名どころと言われるトレーダーの方もいらっしゃいましたね。ただ、その予想が当たったかどうかはご存知の通りです。例え連戦連勝のベテラントレーダーであっても、ピンポイントで暴落を予想するなんて芸当はなかなかできないのです。

ニュースが出るより前に売るには

では、為替の売りは儲からないのか?

もちろん、そんなことはありません。FXは売りでも買いでも入れる取引ルールですから、売り(ショート)を活用しない手はありません。特にトルコリラは波の激しい通貨ですから、下落トレンドが続くこともあります。売りは活用すべきです。

では、どのような場合に売りが有効なのでしょうか。ひとつはチャートのテクニカル分析に頼ることです。

なぜ、こんなことを書くのかというと、チャート分析の節目となる位置でドンピシャのニュースが出ることがあるからです。これは偶然ではありません。ちゃんとカラクリがあるのです。

ファティマ
ファティマ
ねえ、一体どういうこと?
オメル
オメル
プロの売りを後付けで解説するニュースが出ることがあるって訳だな。

プロの投資家と言えども、勘や度胸で好き勝手にポジションを売買する人々はあまりいません。むしろ、プロだからこそチャート分析や需給関係のような拠り所を元にして売買を行っています。そんなプロが売買を行えば、そのポジションの大きさ故に相場に足跡が残ります。その足跡を読むのがチャート分析のひとつと言えるでしょう。

そして、相場の世界には材料が事欠きません。ドイツ銀行の破綻リスク、米中の貿易戦争、各国の金融緩和の思惑などなど。実は、そんな材料の中でも適当なものが後付けでニュースとして出されることがあるのです。ここら辺の事情は億トレーダーのcis氏が著書の中で語っていますね。

これがニュースが出るよりも前に売るコツです。需給バランスが崩れる時期やチャート上の買われすぎ、バッドニュースが出てまだ下値余地がある場合などなど。チャート上には様々なヒントが隠されています。FXにはチャート分析が不可欠です。まずはチャートの読み方から始めましょう。

ニュースが出た後の売りで臨むなら

今回は散々、ニュースが出た後では売るなと書いてきました。ただ、必ずしもダメなことばかりではありません。ちゃんとチャートが読めれば下落トレンドが継続するケースがあることも分かるはずです。

例えば、今回のシリア侵攻のようなバッドニュースでは市場参加者の心理が売りに傾きます。さらに被害が拡大するリスクがあるので、多少の売りは出るのです。この「多少」の売りを狙ってショートを打つ戦術はありだと思います。

ただし、値幅はあまりありませんし、短期のトレードとなることでしょう。利益を増やすにはスプレッドの狭いFX会社で売りを行う必要があります。

トルコリラの短期売買ならスプレッドの狭いFX会社で

そんなトルコリラの売りに向いたFX会社がセントラル短資FXです。興味のある方はリンク先をご覧ください。トルコリラの狭いスプレッドが魅力的なFX会社です。

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