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トルコリラの為替相場展望2014年1月版

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この記事は2014年に掲載したものです。最新のFX予想とトルコ経済事情について気になる方は以下のページをどうぞ。

関連記事:トルコリラ管理人のFX予想~2018年の展望

為替相場の世界では、おおよそ1ヵ月先までの展望なら予測できると言われています。 今回は、昨年末のイベントを手がかりに、2014年1月のトルコリラ相場を見通していきたいと思います。

2014年1月のトルコリラ見通し

個人的な結論として、今月はレンジ相場に入ると予想しています。

それは、ここまでのイベントで、トルコとトルコを取り巻く世界情勢がリラ高・リラ安両方の要因を含んでいるためです。

以下に、直近のイベントを振り返り、その内容を解説していきたいと思います。

トルコリラ相場の直近イベント

トルコリラの相場を見るには、対ドル(USD/TRY)のチャートを見ると、大局的な情勢を判断することができます。以下は、USD/TRYの日足チャートです。

USD/TRYチャート2013年年末USD/TRYチャート2013年年末

直近のイベントとその詳細は下記の通りです。

トルコ中銀によるリラ買いオークション引き上げ(12/9)

トルコ中銀は、外貨売り&リラ買いによる実質的な介入政策を取っています。この最低金額が2000万ドルから5000万ドルに引き上げられました。

この結果、ファンダメンタル要因としては、リラ高が示唆されます。 ただし、これまでの相場情勢では、対ドルでリラ下落のトレンドが続いています。 このため、”リラ高トレンドになる”というよりも、”介入が底値を支える”という表現が適切であるように思います。

政策金利据え置き(12/17)

トルコ中銀は、12/17に政策金利7.75%を据え置く意思を表明しました。

ファンダメンタル要因としては、影響がなさそうです。 ただし、金利据え置きの背景にはトルコ中銀の葛藤が見られます。

基本的に、トルコ政府はインフレ抑制の方針を取っています。 その手段として、金利を上げ、外貨を呼び入れるという手段は一つの解決策ではあります。 しかし一方で、金利の上昇はトルコ国内の資金調達を困難にします。 結果、企業の投資が減り、成長を阻害する要因となってしまします。 国内の産業を成長させるには、安易に金利を上げることができないのです。

こうした結果、暫定的措置として前述のリラ買い介入による手段を取らざるを得ないというのが実情でしょう。

米雇用統計指標(1/10)

2014年に入り、1/10にアメリカの雇用統計が発表されました。 これはトルコリラ相場の外的要因として作用します。 米ドルのファンダメンタルにより、トルコリラの相場も相対的に上下するのです。

雇用統計の結果は、12月の雇用は悪化する一方で、前回の発表値を上昇修正するという良否が混ざった内容となりました。 結果、一時的にドルが売られる状況があったものの、本日現在では証券各社で意見が分かれています。

ストレートにドル売りとなれば、相対的にリラ高となる所でしたが、現段階では揉めています。そのため、相場に明確な方向性が出ず、今後の動向を注視する必要がありそうです。

2014年1月の展望とトレード戦略

上記の内容を総合すると、トルコリラの為替相場は方向感なく、レンジでもみ合いとなりそうです。 これは、冒頭に示した通りです。 強いて触れるならば、中銀が介入強化を始めたことから、長期的な視点ではここが底値になるかもしれません。

この結論から導きだされるトレード戦略には以下のものがあります。

様子見する

消極的ではありますが、”休むも相場”で様子見するのも立派な戦略です。

両建てしてスワップを稼ぐ

あえて積極的に利益を狙うのならば、両建てでスワップのサヤ取り行なうのも一つの手です。

レンジ相場で変動が動かなければ、ロスカットリスクの減少を期待することができるからです。。

参考記事:トルコリラ両建てのスワップ裁定取引

底値と判断してリラ買い

ハイリスクではありますが、ここを底値としてリラ買いに走るという判断も妙手です。 トルコリラは一時期よりかなり安くなっています。 ただし、現在の最安値を更新するようなら、素直に損切りする潔さが必要です。

筆者個人としは、「そろそろ底を打ってもいいんじゃないかな?」という期待感がありますが、明確なサインがないのでなかなか買いに手が出ません。 これは、単なる弱気でしょうか? 今後の展開に期待したいと思います。