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トルコ投資に好材料!遂にトルコ中銀が政策金利引き上げへ

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トルコ中央銀行がとうとう重い腰を上げました。投資家達が願って止まなかった政策金利の引き上げです。トルコ中銀は9月13日の金融政策会合後にトルコ政策金利を24%へと大幅に引き上げました。当然ながら、トルコリラは急騰という結果になっています。

従来から、政府の圧力に屈している避難され、利上げに弱腰の姿勢を続けていたトルコ中銀。投資家たちの期待むなしく、長らく金利を据え置いていました。しかし、トルコショックでトルコリラが大幅下落する事態を受け、期待以上の金利引き上げを敢行しました。この一大イベントは長らく続いたトルコリラの下落に終止符を打つものと考えます。

今回は、トルコ中銀が政策金利を引き上げた背景と共に、トルコ投資の今後のシナリオを見通していきたいと思います。かなりの長文です。お付き合いください。

利上げはトルコリラの買い材料

政策金利の引き上げについて、具体的な経緯を説明していきましょう。先日、9月13日に行われた会合において、トルコ中央銀行は政策金利の引き上げを決定しました。

ポイントとなるのは、その引き上げ幅です。市場の予想では政策金利22%がコンセンサスとされていました。しかし、トルコ中銀はその予想をはるかに上回る24%という数字を提示したのです。期待以上の結果を受けた市場は、大幅なトルコリラ買いに傾きました。

政策金利が引き上げられるとリラ買いに傾くのは、トルコが先だってから通貨下落の憂き目にあっていたからです。過度に進むインフレや通貨レートの下落を受け、トルコ中銀は通貨防衛の役割が期待されていました。その決定的手段として市場が期待していたのが政策金利の変更であった訳です。

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当然ながら、政策金利の引き上げには経済成長が停滞するリスクも伴います。ただ、トルコの場合、その経済成長が過度に高まりすぎて暴走気味な気配がありました。むしろ、高止まりを続けているインフレ率の上昇を抑えることが重要との認識が市場に広がっていたのです。

もっとも、そんな議論が交わされて続けて3年以上の月日が経っていました。その間にトルコリラは大幅下落。先日のトルコショックを受けて、とうとう中央銀行も重い腰を上げたという次第です。トルコ投資家にとって願って止まなかった利上げがとうとう敢行されるという一大イベントとなりました。

政策金利の引き上げが持つ3つの意味合い

今回、政策金利の引き上げが行われた訳ですが、そこにはトルコ中銀から市場への2つのメッセージが含まれていました。ひとつは中央銀行が本格的に通貨防衛に乗り出すという意思表示。もうひとつは、トルコ中銀が政治から独立しているとの市場へのメッセージです。

  • トルコ中央銀行は本格的に通貨防衛に乗り出す
  • トルコ中央銀行は政府から独立して金融政策を実施する

通貨防衛については、前章で書いた通りです。後者を解説していきましょう。中央銀行の独立性の話です。

本来、国家の中央銀行というものは政府から独立して市場を統制する立場にあります。ただ、トルコの場合、政府が過度に介入して利下げ圧力を加えてきました。実際問題としても、政府の介入で中央銀行が政策金利を据え置いてきた節があります。過去には中銀総裁が辞任するという事態まで発展したこともあります。

そんな過去の経緯がある中でもトルコ中銀のチェティンカヤ総裁は利上げを敢行しました。これは市場に対する強烈なメッセージです。「トルコ中央銀行は政府からの介入を受けない」という強い意思表示をしたものと捉えられます。

エルドアン大統領が利上げを容認した可能性がある

政策金利引き上げの裏に隠された3つ目の意味合いがこちらです。管理人の憶測を交えて解説します。

エルドアン大統領は金融緩和政策で国民の人気を得てきた政治家です。実際、緩和策によってトルコが現在の発展を遂げてきた事実もあるでしょう。しかし、海外から見ると実におかしな金融政策を続けてきた国であるとも考えられます。何しろ、海外からの資金調達だけで国家の発展を目論んでいるのですから。

トルコの成長のために資金を提供しているのは外国の投資家です。いわばトルコのパドロンです。そんな海外投資家との対話なしにはトルコの成長はあり得ません。それにも関わらず、エルドアン大統領は市場との対話をないがしろにしてきました。

結果として、海外投資家はトルコショックでトルコ投資に三行半を突き付ける結果となりました。いい加減、独裁的なエルドアン大統領にしても事態の深刻さに気付いたのかも知れません。勝気な独裁者も海外市場からの圧力には屈した可能性があります。

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幸いにも、現在のトルコ政府は盤石な体制を敷いています。先日の選挙ではエルドアン大統領が再選。憲法によって決定されたスーパー大統領が誕生した訳です。しばらく選挙はありませんから、国民の機嫌を伺う必要もありません。緊縮財政を敷くには良い環境が整っています。

エルドアン大統領が利上げを容認した可能性がある。これが今回の政策金利引き上げに伴う3つ目の意味合いではないかと考えます。今後、再び中銀批判をする場面もあることでしょう。しかし、管理人にはそれが政治家としての権威を維持するためのマッチポンプのような気がしてならないのです。

政策金利の変更は長期トレンドに効く

トルコ投資に話を戻しましょう。ここまで書いた通り、政策金利の引き上げはトルコ投資にとって絶好の買い材料となりました。この買い材料であるエビデンスを過去の値動きから補足していきたいと思います。

トルコ中央銀行が政策金利の大幅引き上げをした実績は2007年にまで遡ります。当時は現在と同じく米国の金融緩和が行われていた時代です。同じくトルコも通貨下落の憂き目に遭い、政策金利の引き上げが待ち望まれていました。

トルコの政策金利2度の引き上げ

関連記事:トルコの政策金利の推移と為替レートの相関

上記は政策金利の推移と為替レートの相関を調べるために作った長期チャートです。当たり前のことですが、政策金利の引き上げと共にトルコリラの為替レートは急上昇しました。最終的にはトルコ中銀が政策金利を引き下げるまでリラ高の局面は続いたのです。

トルコの金利引き下げと為替レートの回復

冒頭に書いた通り、利上げはトルコ投資の好材料です。政策金利の引き上げは、為替レートの長期トレンドに非常に有効に効くのです。これはFXに限らず、トルコ株や債券にも言えることです。トルコ関連の投資商品は為替ヘッジが効きませんから、為替レートの上下が命綱です。その為替レートも上昇の目途が立ちました。トルコ投資にとって絶好の機会がやってきたと考えます。

投資を行うタイミングについて

トルコ投資への好材料が整ったところで、買いのタイミングについて考えましょう。トルコリラが急騰して買いにくい状況にはありますが、それでも管理人は買いだと考えます。2018年も10月から決算カレンダーの下期を迎えます。そろそろヘッジファンドの買いが入ってもおかしくありません。トルコ中銀の利上げがあったとなればなおさらです。

トルコリラ円は現在、緩やかな上昇トレンドに入っています。テクニカル的に買いのタイミングを図るためにチャートに補助線を入れてみましょう。以下の通りです。

トルコリラ円も政策金利の引き上げで買い

ご覧の通り、目先の為替レート目標はトルコリラ円で19.5円です。下値はトレンドラインが支えているので、ここを目途に買っても良いでしょう。長期ポジションであれば、トレンドラインと抵抗線に挟まれたエリア内であれば買いに適していると考えます。トレンドラインを損切りラインとして決めても良いでしょう。気になる方は、ご自身でチャートで確かめてみてください。

繰り返しになりますが、10月から本格的に為替相場が動き出します。おそらくはその頃に19.5円の抵抗線をトライするのではないでしょうか。一度は跳ね返されても、そのタイミングは買いですし、19.5円を超えたところでトレンドに乗るのも一つのアイデアです。

兎にも角にも、政策金利の引き上げでトルコリラは買い。管理人はこう考えます。気になる方は、関連記事もご覧になってみてください。

※本記事は筆者の主観を色濃く反映した文章です。現在および将来にわたる事実を保証するものではありません。また、FXは元本割れのリスクがある商品です。投資の最終判断は読者の方自身で行ってください。

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