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3月トルコリラ各通貨ペアのチャートと見通し

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この記事は2015年に掲載したものです。最新のFX予想とトルコ経済事情について気になる方は以下のページをどうぞ。

関連記事:トルコリラ管理人のFX予想~2018年の展望

今回は、管理人の考えるトレンドラインを紹介しながら、トルコリラ各通貨ペアの見通しを語っていきましょう。幸い、3月に入った現在まで、管理人がチャートに引いたトレンドラインが機能しています。このトレンドラインが今後も機能すると仮定して、売買のポイントとタイミングを解説します。

ドルトルコリラ(USDTRY)のチャート

最初は、基本のドルトルコリラ(USDTRY)のチャートからです。1月のトルコ利下げ以降、一つ目のレジスタンスラインを割り込んで、さらにトルコリラ安が進んでいます。絶賛、最安値記録更新中です。

ドルトルコリラは最安値更新中ドルトルコリラは最安値更新中

詳しくは後述しますが、トルコリラが売られていると言うより、ドルが強いという印象を持っています。現在では、アメリカは既に量的金融緩和を終了して、利上げの時期を模索しています。この利上げのタイミングに関して、FRB(米連邦金融政策委員会)はうまく市場をコントロールできていて、全く混乱が生じていません。

結果として、利上げを織り込んでも米株が買われ続けているという好調な経済動向を示しています。米株が買われればドルが買われる訳で、USDTRYYのチャートは上に向かいます。米企業の業績も好調で、ドルへのレパトリエーションも進んでいるのでしょう。米国企業が自国に利益を戻す行為は、そのままドル高要因となります。

USDTRYには未だ上値の余地USDTRYには未だ上値の余地

トレンドラインで見ると、ドル対トルコリラはまだ上値の余地が残っています。まだ長期のリラ買いポジションを建てるのは無謀かなという相場観を持っています。米国利上げが決まる年央(6月との見方が多勢)までに、まだドル高リラ安は進みそうです。対ドルでトルコリラの長期ポジションを建てるなら、利上げの始まる年後半辺りでしょうか。

ユーロトルコリラ(EURTRY)のチャート

対ユーロペアでは、昨年からトルコリラ高が進んでいます。こちらもトルコリラが買われているというよりは、ユーロが売られているという印象です。ユーロは緩和通貨となったので、ここからの更なるユーロ安が期待できます。現在の時点では、ユーロの買い戻しが一服して、レジスタンスラインで支えられている状況です。以下は、注目の3月ECB理事会を明日に控えた今日時点のチャートです。

EURTRYはECB理事会前に一服EURTRYはECB理事会前に一服

トレンドラインを信じれば、ユーロ売りリラ買いで押し目買いのチャンスです。もっとも、実際問題としては、ファンダメンタルの材料が悪いので、なかなかリラ買いに踏み切れないのが人情というものではないでしょうか。先日、トルコ中銀が利下げをした際には、ヒヤっとした場面を経験した方も多いはず。しかし、それでもサポートラインを割らなかったことの方が個人的には印象強くて、逆に上値が堅いことが意識されたと考えています。EURTRY=2.3~2.5辺りには強いリラ買いのポジションが固まっているのでしょう。

前述のトルコ中銀利下げについては、「そんなモン折り込み済みだろ」と思っています。ですので、管理人は長期保有のEURTRYショートは手放していません。むしろ、建て増ししました。ここでポジション建てておけば、リラ売りトレンドになってしまっても浅い傷で済むからです。

トルコリラ円(TRYJPY)のチャート

多くの読者の方が知りたがるトルコリラ円のチャートです。はっきり言って、クロス円のチャートというのはあまり当てにならないのですが、折角なので分析しましょう。以下のようなトレンドラインを引いています。

トルコリラ円のトレンドライントルコリラ円のトレンドライン

形としては、対ドルレートのリラ安を受けて、一つ目のサポートラインを割った形です。現在は、2つ目のサポートラインをわずかに割り込んでいます。ただし、サポートラインを割ったかどうかの判断は難しい所です。まだ円売りリラ買いになると信じるならば、チャレンジする場面はここでしょう。

トルコリラ円は押し目買いトルコリラ円は押し目買い

トルコリラ円買いの材料としては、外国人投資家による円売りと追加金融緩和の思惑があります。需給要因として、4月からは国内の機関投資家が新たなポジションを建て始める点もポイントですね。3月のレパトリエーションが一巡したと判断できたら買ってもよいのかな、という印象です。それまでは、国内証券を使って、デイトレやトラリピで一日の値幅を稼ぐのが無難な選択肢ではないでしょうか。最近では、国内証券のトルコリラ円もスプレッドが狭くなってきて、デイトレが可能となりました。

3月のイベントと見通し

3月に控えたFX市場に絡むイベントは、以下の通りです。ドル円レートが絡むトルコリラ円の場合、海外投資家による株買いの動向も見ておく必要があるので、株式イベントも載せました。

1 2 3 4 5 6 7
トルコCPI 米ベージュブック
公表
ECB理事会 米雇用統計
8 9 10 11 12 13 14
SQ決定(株式)
15 16 17 18 19 20 21
日銀会合
トルコ失業率
トルコ財政収支
日銀会合
米FOMC
トルコ政策金利発表
米FOMC
ECB理事会
ECB理事会
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

為替レートに方向感が見えてくるのは、中旬に差し掛かるあたりからでしょう。ベージュブック公表、ECB理事会、米雇用統計、SQとイベントをこなして、新たなトレンドが生まれ始めます。長期の建て玉を仕込むなら、これらの材料の前後がよさそうですね。さすがにイベントを消化したあとには、レパトリの値動きも一巡しているでしょう。その後は、投機的なポジションが市場の値動きを支配するようになります。

4月になると国内の投資機関に新たな予算が付いて、強気のポジションを取ってくる点もポイントです。対円でトルコリラを買うなら、先回りして買いを仕込んでおくのが良さそうです。最近では、債権利回りが低下して、すでに低リスク資産は飽和状態になっています。株も既に高値圏で推移していますね。残る投資先として、国内の投資機関もリスクを取った新興国への投資を考え始めねばならないことでしょう。トルコリラのようなリスク資産が、投資先の一つに考えられても良さそうです。

記事:金利上昇で新興国投資をするファンドの事情

※本記事は、管理人個人の主張を述べたものであり、内容の正確性を保証するものではありません。FXは自己責任です。読者の方においては、各人の裁量の範囲で取引を行ってください。