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2021年のトルコリラ~この初心者殺しの通貨を買うべき理由はあるのか?

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こんにちわ。トルコリラ管理人(@fxturkishlira)です。今回は遅ればせながら、新春企画として今年一年の展望について思う所を書いていきたいと思います。

タイトルはずばり「トルコリラを買うべき理由はあるのか?」としました。

挑発的な題目ですが、管理人の答えはYesです。一隅を照らすという意味で、このバブルの環境であればトルコリラのような不遇の金融商品にも買いのチャンスが巡ってくると考えます。ただし、初心者の方はお断りで、FX中級者以上の方に向けて書いています。買イ煽リチガウヨ。

そんな訳で、以下に管理人なりのトルコリラに関する見方を述べていこうと思います。

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低迷続きのトルコリラに明日はあるのか?

最初にトルコリラの現状を共有しておきましょう。

トルコリラと言えば、タイトル通りに初心者殺しの通貨です。ただ金利が高いという理由でリラ買いに誘導し、多くのFX初心者に損をさせてきました。まだ、意固地になってホールドしている初心者の方もいるかも知れません(損切りできないうちは初心者です)。

さて、その現況をざっと並べると以下のようなところでしょうか。

  • トルコリラは2014年あたりから下落続き。
  • したがって買い一辺倒の初心者は儲かっていない。
  • 特に長期保有(バイアンドホールド)の投資家は悲惨。
  • 為替レートの下落による損失がスワップポイントによる利回りを大きく下回っている。
  • にも関わらず、スワップポイント目当てに買いを続ける初心者が後を絶たない。
  • ブロガーやアフィリエイターも買い煽る。含み損は内緒です。買い方に耳障りの良い情報をお届けします。
  • なにせ、その方がウケるし、初心者を呼び込みやすい。

上記の通り、ひと言で言って「トルコリラの買いは悲惨」ということです。にも関わらず、初心者のリラ買いは止まりません。この現象は一体、何なのでしょうか?

まあ、最後の方に書いた通り、理由の一端としてはブロガー・アフィリエイターの功罪があります。初心者向け記事と題して「スワップポイントで儲かります」「鬼ホールドです」「含み損がんばりましょう」と言った方が共感を得やすいのです。まあ、管理人はやってませんし、やりませんが。

念のため書いておきますが、管理人もトルコリラの買い煽りをしたことはありますし、アフィリエイトもやっています。ただ、こちらの記事こちらの記事に書いた通り、買い時を見極めた上で買うべきだと述べています。初心者向けに長期保有を推奨している訳ではなく、中級者以上を対象にした内容です。むしろ、(特に最近のTwitterでは)リラ売りトレードについて触れているケースすらあります。

アフィリエイトについても同様です。弊サイトはアフィリエイト(報酬型成広告)によって収益を上げる私的メディアです。この点、広告収入という資本主義を嫌悪され方や、この業界の構造も知らずに批判したがる初心者の方はここでページを閉じてください。

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それでも2021年は買いと考える理由

さて、前述の通り、トルコリラの買いトレードは悲惨な状況です。その上で、2021年のトルコリラを占ってみましょう。

結論から言えば、2021年のトルコリラは買いだと思います。「さんざん買い煽りはしないと言っておきながらなんだ!?」とお叱りを受けるかも知れません。ただ、買いか売りかで冷静に考えたら、買いだと思う次第です。

理由としてはざっくり言って、以下の5つが挙げられます。

  1. 金融政策でリラ高誘導
  2. バブル後期はリラも健闘
  3. 他の金融商品は既に割高
  4. リスクと言われたものは既に顕在化
  5. 直近で安値圏にある好機

以下、具体的にみていきましょう。

金融政策でリラ高誘導

金融メディアにニュースが出ている通り、現在のトルコ中銀はリラ高政策を推進しています。手段としては、伝統的な方法である政策金利の引き上げ策です。昨年の11月に就任したアーバル中銀総裁になってから、二度の利上げを実施しました。

市場の反応も利上げのニュースを受けて、大幅なリラ高となりました(12.0円⇒13円台後半)。利上げを好感した形です。市場参加者は良い金融政策だと受け止めているようです。

もちろん、今後も利上げを続ける保証はどこにもありません。ただ、直近1月の金融会合後の会見では「今後も必要に応じて引き締めを行う」という声明を出しています。少なくとも、従来の金融政策に失敗してきた総裁とは異なるようで、市場との対話ができるタイプの人物であると個人的には捉えています。

「国策に売りなし」ということで、リラ高誘導の金融政策が続く限りは楽観的な見方をしてよいと考えています。

バブル後期はリラも健闘

前述の金融政策はトルコ内部のファンダメンタルズでしたが、トルコを取り巻く外部の環境も良い条件が整っていると考えます。最近になって良く口にされる「世界的なバブル相場」です。

以下のチャートをちょっと見てみてください。実はこれ、ある期間のトルコリラ円週足チャートです。もちろん、都合の良い所だけ切り取ったチャートではあります。ただ、ここで言いたいのは「トルコリラですら買われる時期があった」という話です。そう、バブルの話です。

リーマンショック前後のトルコリラ

トルコリラが上昇したこともある具体的な時期は、リーマンショックが勃発する以前の2007年2月~2008年9月の期間です(画像が不鮮明なのでチャートツールをお持ちの方はご自身でも確認してください)。米国の不動産が好調で、世界経済がバブルの状況にあったという背景があります。断続的ではありますが、カネ余りの状況から新興国への投資需要が過熱し、トルコリラも買われるという現象もありました。

実は2007年9月にはサブプライムローンの焦げ付きが明らかになり、市場に冷や水を浴びせたという事実もあります。実際、それに伴ってトルコリラ円も急降下しています。ただ、買いの需要はしつこく、完全にバブルが崩壊する2008年の夏までリラの上昇は続きました。バブルは完全に弾けるまでしつこく買われるという一例です。

ここまで書けばお分かりだと思います。2021年のコロナ相場は、このリーマンショック以前の状況に良く似ています。「今はバブルだ」「いやもう弾けた」「いやいや、まだまだこれからだ」等々、色々な意見が聞こえます。ただ、株式のようなほどほどのリスクがある金融商品は既に高値圏にあるとの解釈は妥当でしょう。そろそろカネ余りの状況からトルコのようなハイリスク資産に資金が流れてきても良いと考えます。

他の金融商品は既に割高

前節で少し触れましたが、株式のような金融商品は既に割高だと感じています。特に2021年1月の現在、日経平均は30,000円に達しようかという状況で、いささか価格が過熱しすぎている感じがします。

このことは他の金融商品についても同様です。史上最高値の記録を続ける米国株やインド・ベトナムといった一部の新興国株、日本の国債だって割高です。この高値圏から買いを始めるのは得策ではありません。なにか出遅れている金融商品を探す必要があります。

この点で、トルコの株式や債券、そして通貨リラというのは割安感のある商品であると考えます。一方で、同じ新興国でもメキシコ関連の商品は既に急上昇した状況にあり、ベトナムやインドに至っては過去最高値付近にあります。ちょっと、今から始めたいと思う状況にはありません。

誤解されたくない点は、ここで検討の対象としているのは割安感・バリュエーションが利いた商品であることです。メキシコやベトナム関連の商品が悪いとは言いません。ただ、期待値は少ないと思います。伸び代で言えば、割安感のあるトルコ関連の商品の方期待値が高いと考えます。ただし、あくまで全てのリスク資産が上昇すれば、という前提での話です。

リスクと言われたものは既に顕在化

ここまでトルコ関連の金融商品(株・債券・通貨)を買うべき積極的な理由を述べました。ただ、当然ながら投資にリスクは付きものです。割安感のある金融商品だからって価格が下がらない訳じゃありません。

この点、トルコ経済にはリスクが多々あります。止まらないインフレ、断絶しつつあるEUとの関係性、大国ロシアとの地政学リスクに評判の悪い与党・政権などなど。数え上げればキリがありません。

ただ、幸か不幸か、これらのリスクは全て顕在化しています。言わば価格に織り込まれている状態で、それゆえに低価格に甘んじているという現状があります。爆弾発言を繰り返すエルドアン・トルコ大統領の動向だって織り込み済みです。為替レートももはや大きくは反応しなくなってきました。

もちろん、誰もが気に掛けていなかったブラックスワン的なリスクが表面化する事態は考えられます。そのような場合はどうするべきか?もちろん、中級者以上の方であれば息を吸うように損切りができることと思います。

直近で安値圏にある好機

損切りと言う点で言えば、今のトルコリラは非常に良い位置にあります。トルコ中銀の利上げ実施(1回・2回目)を受けて、通貨リラのレートは大きくリバウンドしました。目先の下値が明確になっている状況です。損切りをする前提を持てば、非常に分かりやすい水準が見えています。

トルコリラのリバウンドで下値が見えている状況

ただし、こうした明確な水準は短期の投機家に狙われやすい傾向にあります。特にトルコリラの場合、まだ明確な2番底を付けていません。もう一度くらい、下値を確認する値動きがあっても良いと思います。

もっとも、中級者以上の方でしたら、その値動きこそがチャンスの可能性を秘めていることはご存知の通りです。チャートで言えば、ダブルボトムのパターンが想定され、これは管理人の得意とする局面です(余談ですが、ダブルボトムのパターンにおける売買セオリーについては、管理人書き下ろしのレポートで解説しています。詳しくはこちら)。

もちろん、価格が落ちてくるとは限りませんし、逆に急落して下値を割らない保証もありません。特に急落局面では、落ちてくるナイフは拾うなと言うことがよく言われます。ただ、地面に刺さったのが見えたら拾わねば話が始まりません。買い時をうまく見極めなければならないという点で、これまた初心者の方には難しい投資となっています。

トルコリラを買う方法

インターネットでトルコリラを買う方法

最後にトルコ関連の商品をどのような形で買うかという点を述べたいと思います。

まず、トルコ株ですが、現物や指数を直接買うのはちょっと骨の折れる方法だと思います。代わりにETFを買うのであれば、外国株式の口座を開けば買えるので容易です。それすら億劫であれば、投資信託でも良いと思います。これなら国内株式の口座でも売買することができます。

NISA口座で買うという手もありますが、これはあまりおすすめしません。ここまで書いたようにトルコ関連の商品はハイリスクで、(まあ全ての金融商品はそうなのですが)損切り前提で買う必要があります。損失が出たときにNISA口座では損益通算ができないので、節税効果が出ません。NISA口座ではもっとリスクの低い商品を買うべきだと思います。

トルコの国債(ハイイールド債)もアリかと思います。ただし、債券だからと言って、低リスクな訳ではありません。特にリラ建てで価格が決まる商品もあるので、為替レートの変動リスクを真正面から受ける可能性もあります。また、毎月分配型の商品は何をしたいのか良く分からないのでおすすめしません。

シンプルに考えるのであれば、通貨リラを買うのが良い方法であると思います。特に近年ではスプレッドも狭くなってきているので、細かいリスク管理(損切りや建て直し)がしやすくなっています。あまり期待しすぎるのも困りものですが、スワップポイントによる金利差益を狙うこともできます。

方法としては、FX会社への口座解説を申し込んで、新規に口座を開く必要があります。弊サイトでおすすめしているのはセントラル短資FXです。スワップポイントとスプレッド、そしてサービス(各種レポートや売買ツール、ニュースの提供など)のバランスが良い会社です。

おわりに

という訳で、今回はFXの知識がある程度はある方に向けて、記事を書いてみました。今年のトルコリラはやってくれるかも知れない。管理人個人はそんな印象を持っています。

ちなみに巷では高金利通貨として、メキシコ関連の方が流行っているようです。401k向けの商品にもメキシコ債を運用している商品があり、管理人も個人の年金運用で分配比率をいくらか振り向けていました。ただ、コロナ禍が表面化した2020年の冬に大暴落。まあ、1年かけてリバウンドしたのでトントンですが、現在はひと相場終わった感がありますね。今年はあまり儲からないかなという印象です。

管理人のTwitterアカウント(@fxturkishlira)をご覧の方はご存知の通り、トルコリラに対する目先の目線は下方向です。ただ、長期的な視野では上昇トレンドのシナリオを想定していて、来るべきときが来たら、また買いで臨もうと考えています。

では、来るべきときはいつなのか?

それは読者の方々の判断にお任せしたいと思います。投資の判断は自己責任で!

※本記事は管理人個人の主観を反映した内容であり、客観的事実を示すものではありません。また、読者に特定の投資行動を強要するものでもありません。FXを始めとした投資・投機の最終判断はご自身によるものとなります。

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