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ドルトルコリラ3.0000(クワトロプルゼロ)の節目

トルコリラドルの0000トレード

2016年5月から6月のトルコリラ相場を振り返ります。対円取引に絡む直近の日本株式市場の動向と見通しについても語ります。

直近のトルコリラは対ドルで節目となるUSD/TRY=3.0000(クワトロプルゼロ)に到達するもブレイクならず。ダウトオールショックが沈静化する一方、米雇用統計が予想を下回り、ドルが下落。トルコリラは相対的に上昇しました。

対円相場では円買いによって円高。トルコリラ円もこれに引きずられて下落。円高の背景には、イギリスEU離脱懸念による日本株の暴落が挙げられます。リスクオフによる円キャリートレードの巻き戻しです。基本的に、日本株が売られると円が買われるメカニズムが働いています。

しばらく更新を怠ってきました。理由はおいおい説明するとして、直近の相場を振り返りたいと思います。

クワトロプルゼロの節目で

はじめに対ドル相場の振り返りから始めていきましょう。冒頭に書いた通り、トルコリラは対ドルでUSD/TRY=3.0000まで下落するも、ブレイクせずに持ち直す展開となりました。

USDTRYのクワトロプル0水準

キリの良い数字ということで3.0000という数字は大きな節目になります。多くの場合に目標レートとなり、逆にトレンドの転換が図られる場合は節目として反転の目安となります。0が複数並ぶレートなので、トリプルゼロとかクワトロプルゼロと呼ばれますね。大概の場合、こういう節目は勢いだけで到達はするけれど、到達の満足感からブレイクが起きずに反転しますね。

USDTRYのトレンド反転

という訳で、こうしたトリプルゼロやクワトロプルゼロのレートを節目と読んで目標価格や反転の基準に据えるとシンプルで分かりやすいトレードができます。今回のケースでも「どうせブレイクしないだろ」という理由で、雇用統計発表前にも関わらずUSD/TRY=3.0000のレートでトルコリラを仕込みました。結果、これが当たって管理人は700pipsほど頂くことができました。

期待で買って事実で売る相場

前述のトレード計画は、テクニカル分析の部分だけ語ったものです。今度は需給要因を考えたアプローチを振り返ってみましょう。題名の通り「期待で買って事実で売る」ことの具体的な意味について解説します。

USDTRYの期待で買われて事実で売られる相場

トルコリラの対ドルレートがUSD/TRY=3.0000まで下落した経緯を振り返ってみましょう。具体的なイベントは上記チャートに書き込んだ通りです。

初動はダウトオール首相の辞任劇によるリラ暴落ですが、その後のドル高は米利上げ期待によるドル買いです。米金融会合(FOMC)の議事録が公開された結果、予想外にメンバーの発言がタカ派(=利上げに前向き)であることが好感されました。利上げに強気=経済が好調であることですから、米経済に対する期待感からドル買いになった訳です。

ただ、この「期待で買われる」状況というのは、言い方を変えれば「実態よりも割高」「事実が出たら売られるポテンシャルを秘めている」という見方ができます。市場が熱狂しているときこそ暴落の序章で、雇用統計前のタイミングで既に為替レートに織り込まれていました。

織り込み済みでは上がらない

結果として、雇用統計という事実が出た時点でドル売り。まさに「期待で買われて事実で売られた」相場となりました。

ポイントとなるのは、期待で過剰に買われている状況では逆張りした方がトレードの期待値が高いという点です。なぜなら、期待通りに事が進んでもサプライズにはならないので微損で済み、市場の期待が裏切られれば大きくトレンドが転換して大きな利益となるためです。今回の場合なら、ドル高期待に反抗してドル売りリラ買いを仕掛けた方が良い結果が期待できたということですね。

日本株市場暴落のシグナル

最後に日本の株式相場から。6月13日の東証開場直後から日経平均が暴落するシグナルが出ました。それ以前から暴落を予感させる値動きはありましたが、この日の朝の下落で明確に暴落が決定付けられましたね。管理人もtwitterで警報を出しています。

twitter暴落予言のつぶやき

暴落の原因は、イギリスのEU脱退を問う国民投票が近づき、リスクオフの値動きが出たためです。もっとも、それ以前から阿部首相の消費税増税延期の説明がおかしいなど、海外筋から日本株が忌避されていた傾向はありましたね。ここら辺のチャート分析は、管理人の株式サイトで解説してますよ。

参考:暴落チャートを事前分析~空売り手法と参考書籍

日本株が下落すると困るのがトルコリラ円トレーダー。海外筋が日本株を売る動き=円キャリートレードの傾向が高まると、ドル円レートが下落します。トルコリラ円(TRY/JPY)というのは、トルコリラドルとドル円の合成通貨なので、ドル円レートが下がるとトルコリラ円も下落します。

こういう時にトルコリラ円を保有する場合は、ドル円の売りヘッジを行うべきですね。以前のブログでもご紹介しました。下記の記事に詳しい記載があるのでご覧あれ。

参考:トルコリラをクロス通貨でリスクヘッジ

編集後記

今回の記事を読んで違和感に気づかれた方も多いと思います。そう。この記事はイギリスのEU離脱前に書いた記事なんですね。ちょっと・・・というか、かなり出遅れた感がありますが、ボツにするのもなんなんでアップしてやろうと思った次第です。

トルコリラ円は足下で大変なことになっていますね。以前から、twitterで円高懸念は示してきたので、読者の方には難を逃れた方が多いと信じています。どうしてもリアルタイムの相場語りはtwitterに頼ってしまいますね。毎日、ブログアップするとか管理人には無理です。

イギリスの国民投票でEU離脱が決まって、トルコリラにどのような影響が生じるのか。読者の方が気になるのは、今やこの点に絞られましたね。個人的には、そんな大変なことにはならないだろうとタカをくくっています。もっとも、具体的な相場観を醸成するには、まだ材料が足りないのではないでしょうか。曖昧ながら、対ユーロで買っておけばOK的なことしか考えが出ていません。

そんな訳で、次回の記事ではイギリス離脱に伴うトルコリラへの影響について考察したいと思います。

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