混迷を極める米大統領選。トルコ中銀総裁の更迭。ワクチン開発によるコロナ禍収束の期待感などなど。相も変わらず、FXを取り巻くニュースは話題が尽きません。
そんな中、トルコリラのロング派に朗報があります。トルコ中銀の新総裁が政策金利の引き上げを実施したのです。
従来であれば「利上げは悪」とばかりにエルドアン大統領からの圧力が加わる場面。しかし、就任したばかりのエルバン新総裁は公正発展党(AKP)の議員で、エルドアン大統領サイドの人物という訳です。つまり、エルドアン大統領は利上げを黙認したということ。これは面白いことになってきました。
そんな訳で、トルコリラ関連のニュースを交えながら、今後の動向を見通していきたいと思います。
トルコリラが上がるかも知れない理由
最初にトルコ国内の動きから見ていきましょう。
11月7日のことです。トルコのエルドアン大統領はトルコ中銀前総裁のウイサル氏を解任し、アーバル元財務相を新総裁に任命しました。そして、11月19日のことです。新総裁のアーバル氏は政策金利を従来の10.25%から15.00%に引き上げました。
勘の良い方はお気付きかも知れません。そう、エルドアン大統領が利上げを容認したようなのです。なにしろ、エルドアン大統領が直々に指名した人物が就任直後に利上げを実施した訳ですから。
この結果、トルコリラは最安値の12円付近から1.5円ほど上昇しました。市場が利上げを好感し、大きな買いの反応があったのです。
11月末の現在では為替レートは利上げを完全に織り込み、やや落ち着いている状況です。ただ、今後も続くであろう第2弾、第3弾の利上げについては当然、織り込まれていません。この分、トルコリラの上値には幾分かの余力があるように思います。
それでもリラ高が阻害される要因
前述の通り、トルコ中銀が金融政策を大きく変更した結果、リラ高の目が出てきました。しかしながら、それを阻害する要因もあります。ひとつは需給面、もうひとつはトルコ海外のファンダメンタルズ要因です。
需給面というのは、トルコ国内の根強いリラ不信です。なにせ、トルコリラはこの10年間、ひたすらに安値を更新してきた訳ですから、トルコ国内でも資産をリラから金や海外資産に変えようという動きがあります。この動きはリラ売り要因となるので、これが解消されない限りはリラ高にブレーキを掛け続ける格好になります。
参考ページ:アングル:トルコリラに強気の海外勢、慎重な国内勢と綱引き(ロイター)
トルコ海外のファンダメンタルズ要因というのは、迷走を続ける米大統領選です。11月3日に投票を終えたアメリカ大統領選挙ですが、まだ結果が確定していません。これが決まらない限り、機関投資家は大きなリスクを取ることができません。当然、通貨リラに注がれるリソースもわずかなものとなり、大きなリラ高とはなりにくい要因となり得ます。
その他、コロナ禍による経済への打撃等もあるのですが、現在の市場はそれを既に織り込んでいる状況です。そのため、リラ安方向への動きは考えにくいものがあります。
年末年始にかけての値動きを予想
では、ここからの為替の値動きを予想してみましょう。
政策金利の引き上げで急騰したリラですが、その後の動きは落ち着いています。ただ、リラの上昇モメンタムそのものは消えていないと考えます。そのため、基本方針は「買い」で臨みたいと思います。
タイミングとしては、年末のうちに打診買いをし、年始の動きについていくというやり方が良いように思います。というのも、もし年末に上がるようだと年始もその値動きを継続する傾向があるからです。年末の値動きはまだ不透明なままなので期待感だけで打診買いする訳ですが、軽くポジションを持っておくと市場のニュースや値動きに機敏に反応することができます。
「期待感だけで買う」とは書きましたが、勝算がない訳でもありません。通貨リラはかなり売り込まれているので、おそらくは市場のポジションが売りに偏っていることでしょう。それがフラットな状態に是正されれば、もう少し買われても良さそうなものです。
目標レートとしては、来年2021年の1月までに14.5~15.0円くらいの水準まで戻すと考えます。あとはチャートと睨めっこしながらの相談になることでしょう。
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