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2014年トルコリラ3月のイベントと為替相場の見通し

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この記事は2014年に掲載したものです。最新のFX予想とトルコ経済事情について気になる方は以下のページをどうぞ。

関連記事:トルコリラ管理人のFX予想~2018年の展望

本日のブログでは、トルコリラ為替相場見通しと3月のイベントを解説していきたいと思います。

先日の1/28の緊急利上げ後、トルコリラの売りトレンドは一旦収まりました。
しかし、足元では再びリラ売りのトレンドが生ずる兆しが出ています。
特に、トルコは月末に統一地方選挙を控え、波乱の展開が予想されます。

これらのイベントは以下の通りです。

  • 3/7 米雇用統計
  • 3/17 トルコ失業率・財政収支発表
  • 3/18 トルコ中央銀行政策金利発表
  • 3/30 トルコ統一地方選

イベントの詳細を解説した上、チャートを交えて見通しを立てていきたいと思います。

トルコリラ3月のイベント

日程 経済指標・イベント 前回 予想
3月7日 米雇用統計 6.6% 6.6%
3月17日 トルコ四半期失業率 9.9%
3月17日 トルコ財政収支 1.9B
3月18日 トルコ翌日物貸し出し金利 12.0%
3月30日 トルコ統一地方選

それぞれのイベントについて、解説を加えていきます。

米雇用統計(3月7日)

まず、3月の頭には米雇用統計があります。
トルコのイベントではありませんが、世界的にリスク選好となるかリスク回避となるかを決める重要なイベントです。

先月の雇用統計はやや波乱含みの展開でした。
指標の結果は思わしくないながらも、イエレン議長がハト派的発言をしたために、米金融緩和縮小の先送りが予想されました。
結果、世界的にリスク選好となる矛盾した傾向が出ました。

3月度の雇用統計予想は、現段階ではコンセンサスが定まっていません。
指標の結果を受けて相場がどちらに振れるのか、発表後にファンド勢の動きを見る必要があると言えるでしょう。

トルコ経済指標発表(3月17日・18日)

17日には、トルコの失業率と財政収支の発表。18日には政策金利の発表があります。

失業率と財政収支については、トルコはあまり期待されていない所があります。
多少、指標の結果が良くとも、リラ買いには傾かないものと考えます。
むしろ、財政収支が悪化していた場合、再び新興国リスクが意識されるであろうことが予想できます。

政策金利については、おそらく据え置きであろうかと考えます。
なぜなら、先日1月28日に緊急発表された翌日貸し出し金利12%というのは、ほぼ上限の割合であると言われています。

もっとも、トルコの政策金利はサプライズが多いことが知られています。
さらなる利上げがある可能性も否定できません。
しかし、これ以上利上げをすると、却って国内経済の成長停滞が懸念されます。
利上げがされたとしても、リラ売り圧力は弱まらないというのが筆者の考えです。

トルコ統一地方選(3月30日)

トルコは月末に統一地方選を控えています。

現在、トルコの政治は汚職問題等で不振が続いてます。
地方選挙で現行のエルドアン政権に不利な結果が出ると、波乱の展開になることが予想されます。

エルドアン政権は地方の低所得者層に厚く支持されています。
したがって、地方選挙は与党勝利が既定路線です。
ただ万が一、野党が勝つと一波乱起きます。
その場合、現行政府の実行力が問い直され、リラ売り圧力が強まります。

今回の地方選挙は8月総選挙の前哨戦です。
ここで無難な結果が出なければ、トルコリラ相場の雲行きは怪しくなってきます。
このリスクを考えると、差し当たりリラ売りで望むのが良かろうと思います。

トルコリラ3月の見通し

トルコリラ3月のチャート(USD/TRY)トルコリラ3月のチャート(USD/TRY)

2014年3月3日現在のチャートです。
チャートは個人的にガンマチャートを愛用しています。

さて、このガンマチャートを見ると、現段階ではUSD/TRYは再びリラ売りのトレンドが出ています。
Twitterで呟いている通り、筆者は下落のトレンドを予想しています。
基本のスタンスはリラ売りです。

その理由は以下の通りです。
具体的なリラ売りのシナリオとして、以下の材料を考えています。

  1. 米金融緩和縮小のリスク。
  2. リスク選好となってもトルコの財政赤字からトレンド転換は難しい。
  3. トルコ政策金利が据え置かれても織り込み済みでトレンド転換ならず。
  4. トルコ財政赤字拡大のリスク。
  5. 統一地方選与党敗退のリスク。
  6. 3月決算に伴う投資資金の引き上げ

前述のイベントを交えて考えると、どうにも良い材料が出てきません。
総じてリスクが多く、例えそのリスクをクリアしてもトルコリラにとって現状維持以上の材料になりません。
これらのリスクは、短期ヘッジファンドにとって格好の売り材料にされます。
さらに、3月の決算に伴い契約解消が相次ぐので、投資期間からトルコ投資の資金が引き上げられる可能性が見えています。

利上げが行われ、トルコ中銀も介入を続けているので、長い目で見るとリラ高であろうとは思います。
ただ、直近は新興国リスクが意識され、トルコにとってなかなか良い材料が出てきません。
リラ買いトレンドに転換するのは、8月のトルコ総選挙を意識し始める辺りからではないでしょうか。
短期的には、リラショートが妥当な選択肢であると考えます。

以上、トルコリラ相場の見通しでした。

※このコラムは、為替取引の情報を提供することを目的とし、売買を強要するものではありません。内容はあくまで筆者個人の意見です。

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