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トルコリラ円を10年チャートで振り返る

トルコリラ円の為替レート10年

今回のコラムでは、トルコリラチャート10年に渡って振り返り、為替レートの傾向を見直してみたいと思います。

トルコリラ円の今後の流れはどうなるか?それを考えるための参考情報にして頂ければ、幸いです。内容は以下の通りです。

トルコリラ円の為替推移

トルコリラ円の為替レート10年トルコリラ円の為替レート10年

上のチャートは、トルコリラ円の10年間の推移を表したものです。チャートに使ったデータは、月末の終値です。2004年の3月から2014年の1月末までの為替レートを利用しています。

チャートを見ての通り、トルコリラ円はこの10年で大きく為替レートが変動しています。高値と安値は以下の通りです。

  • 最高値:1トルコリラ=約100円
  • 最安値:1トルコリラ=約40円

大きな傾向としては、2008年を境に相場のレンジが変わっています。2008年以前は、高値圏でのレンジ相場でした。それ以降は、安値圏での上下動を続けています。最高値・最安値もそれぞれ高値圏・安値圏で記録しました。

では、このような傾向を生むきっかけとなった出来事は、一体なんだったのでしょうか?

以下には、過去に起きたイベントから、為替が推移したきっかけを探っていきたいと思います。

転換点となった出来事

もう一度、トルコリラ円の10年チャートを振り返ってみましょう。ただし、今度は転換点となるイベントを書き込んでみます。

トルコリラのイベント10年トルコリラのイベント10年

それぞれのイベントの詳細を以下に解説していきます。

トルコでデノミ実施

2005年1月1日、トルコはデノミを実施しました。それまで使われてきた通貨リラを廃止し、通貨単位を切り上げた「新トルコリラ」を発行したのです。デノミを実施した理由は、ハイパーインフレです。インフレにより経済が破綻し、トルコはIMFの管理下に置かれました。

ただ、デノミによるインフレ対策が功を奏してか、この頃からトルコリラ円の為替レートは上向きに転じます。

トルコのEU加盟交渉とIMFの判断

2006年頃から、トルコはEU加盟交渉を始めます。さらに、同年9月20日には、IMFが「トルコ経済は良好」との判断を示します。

チャートを見てみると、このようなイベントを機会にトルコリラが再び上昇トレンドに転換したことが伺われます。

以後、しばらくの間は、トルコリラ円は高値圏での推移を続けます。

リーマンショック勃発

2008年9月15日、世界で大きな金融危機のイベントが発生しました。同日にリーマンブラザーズが破綻したのです。後日知られる「リーマンショック」の始まりでした。

これをきっかけに、世界では大きなリスク回避の波が押し寄せてきました。トルコも例外ではありません。それまで外資によるトルコへの投資が活況となっていたのですが、そんな投資熱も一気に冷めてしまいました。

結果、トルコリラ円は大幅下落。リーマンショックを境に、トルコリラ円の為替レートは安値圏で推移するようになりました。

トルコリラのイベント10年トルコリラのイベント10年

日本の円高圧力

2010年頃から、日本は大きな円高圧力にさらされました。

円高には様々な要因が含まれていました。キーワードとしては、ヘッジファンドによる「円キャリートレード」や、リスク回避による「安全通貨としての円買い」等が挙げられます。

この円高圧力を受けて、トルコリラ円はさらに下落の流れを継続することになります。日本の事情が、トルコリラ円の為替レートに影響したのです。

アベノミクス始動

2013年の年末頃から始まったのが「アベノミクス」です。「アベノミクス」というと、株高ばかりがクローズアップされがちですが、この株高は円安と密接に関係があります。

アベノミクスで日本株売買の主役になったのは、外資ファンドです。外国から日本株に投資をする場合、円安が進むと利益が目減りしてしまう為替リスクが生じます。この為替リスクを回避する手段として、外資ファンドは株の買いと同時に、円売りの為替ヘッジを常套手段としました。

その結果、円安が進み、トルコリラ円の為替レートも一旦底を打った形となりました。

まとめと今後の見通し

以上、10年間のチャートを使って、トルコリラ円の相場の流れを振り返ってみました。

難しく書きましたが、大まかな流れを見ると単純なトレンドが見えてきます。一言で言えば「リーマン前の高値レンジ・リーマン後の安値レンジ」です。リーマンショックの前後でレンジ相場の上下限が変わったと見るべきでしょう。

トルコリラ円の10年チャートと為替レンジトルコリラ円の10年チャートと為替レンジ

現在は、安値圏での推移を続けています。レンジの上下限は、ざっと40円~60円といった所でしょうか。さらにミクロ的に見ると、2014年現在のトレンドは最安値からの戻り相場であると、筆者は考えています。

レンジ相場を予想している根本的な理由は、為替の回帰性です。為替というのは、往々にして安値と高値を往復する傾向があります。トルコリラ円は、まさにその安値なのではないでしょうか。

筆者個人は、トルコリラ円は上昇トレンドに転換すると考えています。今後も日本の円安傾向が続き、トルコリラ円はレンジの高値65円を目指すと見ています。

※このコラムの内容は、筆者個人の意見であり、為替情報の提供を目的として掲載したものです。

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