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トルコリラの為替投資戦略

政治のイベントリスクとFXの傾向・対策

来たる2017年4月16日にトルコでは国民投票の日程が組まれています。今回は為替相場における政治イベントとリスク対策について解説したいと思います。

FXではしばしば政治的なイベントがトレード計画に影響を与えます。問題となるのは、大体のケースで為替レートの大変動を伴うことです。特に首脳陣の不祥事や人事異動、もしくは事前予想を覆す投票結果は、為替レートの暴落を引き起こします。

しかしながら、政治的なイベントは想定外のリスクを生み出す反面、傾向を把握していればトレードのチャンスに変わるケースが存在します。今回は、トルコの国民投票に先立ち、政治的イベントの乗り越え方を考えていきましょう。

  1. 政治に長期の影響力なし
  2. FX相場における傾向と対策
    • アメリカの例~トランプ候補の勝利
    • イギリスの例~BrexitとEURレート
    • トルコの例~ダウトオール首相の辞任
  3. トルコ国民投票を迎えるにあたって
    • ドルトルコリラのチャート予想

政治に長期の影響力なし

最初に政治と相場の関係性をひとつ示しておきましょう。

「政治のイベントは相場の長期トレンドに関係しない」

これがFXや株式の相場における法則です。

解説しましょう。まず、政治に関するイベント、例えば選挙や不祥事、はたまた議会の解散といった出来事は確かに為替レートや株価に一時的な影響を与えます。「一時的」と限定したのは、長期の趨勢には影響しないということを強調したいがためです。

昨年2016年で言えば、イギリスの国民投票やアメリカの大統領選挙が記憶に新しいところでしょう。いずれの結果が出た際も、日本の株式市場とドル円のレートは暴落しました。しかし、その暴落はどちらもたった一日の出来事。蓋を開ければ、ドル円レートは110円を回復し、トランプラリーが始まりました。どちらも政治のイベントが外乱として作用しましたが、長期のトレンドには影響を与えなかったのです。

この政治と相場の関係は古くから知られていて、過去から同じことを繰り返しています。ただ「イギリスのEU離脱が決定してのポンドのレートは下落を続けているじゃないか?」という反論が聞こえそうです。言葉遊びになってしまいますが、それは政治ではなく経済のメカニズムが変わったからです。

今回は傾向と対策と銘打って、政治イベントのやり過ごし方を解説していきたいと思います。

FX相場における傾向と対策

政治的イベントが相場の長期趨勢に影響を与えなかった実例を3つ示します。トランプ相場、イギリス国民投票、そしてトルコのダウトオール・ショックです。以下にチャートと共に解説を加えていきます。

アメリカの例~トランプ候補の勝利

最初の例は、直近で起きたトランプラリーの実態です。ご存知の通り、トランプ現大統領は選挙で勝利するまで散々な叩かれようでした。万が一にも選挙の勝利はなく、勝利しても経済の先行きは暗いとされ、挙句はアメリカ民主主義の終わりとまで言われていました。

ところがどうでしょう。蓋を開ければ政策への期待感から米国の株価は続伸。NYダウに至っては過去最高額であった20,000ドルを更新する事態です。巷で言われていた相場の不安心理は見事に覆されました。

以下はイベント前後のユーロドル週足チャート(EUR/USD)です。ご覧の通り、ユーロドルは週足の長期ボックストレンドが継続する動きとなりました。しかも、選挙直後の一時的なドル安というおまけ付きです。

トランプ相場でユーロドルはボックスチャート継続

実は選挙前後では非常に典型的な値動きもありました。イベント前後の特徴的な傾向として以下の動向が見られます。為替だけでなく、株価でも同様の傾向が見られます。日本株でも同様で、解散総選挙からの株価回復はもはや日常茶飯事です。

  • 数週間前から選挙イベントを意識した値動きが始まる。
  • 選挙直前の相場は選挙予想で一喜一憂。
  • イベントリスクを意識して出来高は減少。基本はリスクオフの値動き。
  • 選挙結果を公表。予想外の結果では大暴落も。
  • しかし選挙後は新政権への期待からリスクオン。往々にして株価は大幅高へ。

イギリスの例~BrexitとEURレート

次の例は、少し特殊な事情を持ったケースです。イギリスの国民投票を受けた結果、EU離脱が決まった経緯を見ていきましょう。ただし、見るのは英ポンドではなく、ユーロです。同じく、ユーロドル(EUR/USD)の例を見ていきます。

以下のチャートはユーロドルの週足チャートです。見ての通り、長期の値動きではイギリス国民投票前後の値動きなんて微々たるものです。確かにイギリスの離脱決定に伴い、ユーロのレートは下落しました。EU連合の崩壊序曲が連想されたためです。しかし、週足チャートではレンジ相場を抜けるほどの材料にはなりませんでした。

ユーロはブレグジットでもボックスチャート継続

先のトランプ相場の例と比較すると「イギリス離脱の決定で灰汁(あく)抜けによるユーロ買いではないのか?」という声が聞こえそうです。答えはNoです。なぜなら、イギリス国民投票の結果が出る以前から、ユーロは下落トレンドであったからです。理由は、ECBによる金融緩和策=インフレ期待があったためです。

ここで一つの気付きが生まれます。そう、長期のトレンドを決めるのは飽くまで経済と金融政策であるのです。政治的イベントは外乱に過ぎず、むしろ一時の押し目を作るに過ぎません。先に示した通り、アメリカ大統領選挙を終えてイベントリスクは解消。ユーロの下落トレンドが再び走り出す結果となりました。

トルコの例~ダウトオール首相の辞任

最後の事例として、我らがトルコの為替と政治イベントを見ていきましょう。ダウトオール首相(当時)の辞任劇。通称ダウトオール・ショックです。

ダウトオール元首相は当時、EUとの交渉役として外交で非常に良好な実績を挙げていた人物でした。しかしながら、足元の与党内では世俗派と保守派が対立。党内の政争を統制できなくなった責任を負い、突然の辞任に至る事態となりました(※)。

ダウトオール首相辞任は長期トレンドに影響せず

このような新興国の政治スキャンダルに対して、長期のトレンドはどうなったかと言うと・・・。確かに直後はリラ売りとなりましたが、長期的にはレンジ相場の域を出る材料とはなりませんでした。それどころかレンジの上限で折り返した後は、リラ売りに転ずるほどの値動きとなりました。

トルコリラでは、それまでのファンダメンタルズ事情から、さらに長期の視点ではリラ売りの傾向がある通貨でした。そんな中での政治イベントにあっても週足レベルの値動きを支配するに至らず、元の水準に戻すという傾向を示しています。推測になりますが、おそらく背景にあったのは機関投資家の需要でしょう。高金利の新興国通貨には一定レベルの需要があります。投資方針(≒経済事情)の変わらぬ限り、機関投資にとっては安値も買い場であったのでしょう。

※注記:メディア上ではエルドアン大統領との確執が原因との噂がありました。しかし、当事者らの公式発言を鑑みるに決定的な根拠がありません。本サイトではダウトオール元首相の辞任時の発言を根拠として上記の見解を採用しています。

トルコ国民投票を迎えるにあたって

以上の例を踏まえて、話をトルコの国民投票に向けましょう。個人的な見解としては、国民投票の結果を受けて、賛成でも反対でも投票前後ではトルコリラは下落の憂き目に遭うと考えています。大統領権限が強化されればエルドアン大統領のワンマン政治が懸念され、反対投票が多ければ政治不安が連想されるためです。正直、トルコ国外の投資家から見て国民投票を行うメリットがあるように思いません。

それでもエルドアン大統領が自身の立場を国民投票に掛ける理由は、政治の安定化を目的としているからでしょう。同国の事情を鑑みて当然と言えば当然なのですが、トルコの与党支持率は決して高くありません。以前の選挙では与党が大敗するという事態にまで進展しています。

実を言うと、この手の国民投票は政治の常套手段です。直近では、日本の第2次安倍政権も使いましたし、イギリスEU離脱の国民投票もキャメロン政権が離脱派を取り込むための手段でした(まあ、こちらは失敗しましたが)。Yes/Noの選択肢を問うことで、国民の支持を確かめる=政権の存続・強化を図るための手段なのです。

ドルトルコリラのチャート予想

上記のリスクを踏まえた上で、トルコリラの値動きを予想をしてみましょう。前述の通り、イベントリスクで目先のファンダメンタルズは売りを示唆しています。では、トレンド分析はどのように考えれば良いでしょうか。それには経済事情とテクニカル分析を交えて考える必要がありそうです。

トルコリラのチャート予想を以下に示してみました。端的に言って、頭打ちとなればリラ買いトレンドが来る展開になると管理人は予想しています(飽くまで個人の予想です)。

ドルトルコリラのチャート予想

長期的なファンダメンタルズ要因では、経済事情を長年に渡って悪化させてきたシリア問題が終息に向かいつつあります。実はトルコ国内の政治不安や外交問題に影響を与えていたのもシリア問題です。既に反体制派と政府軍は休戦停戦を結びました。直近では米国がアサド政権の存続に疑義を唱えて問題を複雑にしています。ただ内紛の事後処理に関する話題であるので、長期的な視点では事態収束に向かっていると考えます。

需要面では、高金利通貨全般を対象としてキャリートレードが復活しつつあります(次回記事を検討中)。ロシアルーブルや南アフリカランドを筆頭に、エマージェンシー市場は年明けからヘッジファンドの買い意欲が旺盛です。ファンダメンタルズで悪材料の多いトルコリラでさえ、第一四半期では買いが売りを上回っています。

参考:金利上昇で新興国投資をするファンドの事情

直近3ヵ月のリラ買い相場にあっても、管理人はリラ買いスタンスに懐疑的でした。イベントリスクと需要の不透明感がある中で、決定的な買いシグナルが出ていないと考えていたのです。そんなコレジャナイ感もイベント通過で解消されるかも知れません。今後の値動きが本記事の想定通りとなれば、買いのスタンスで臨もうと考えます。

参考:トルコリラは最安値を更新してこそ長期トレンドが転換する

※本記事には、管理人個人による主観が多分に含まれます。FXは自己責任です。読者の方に当たっては、ご自身による責任でトレードの判断を行ってください。

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