コラムとブログ PR

外資系ヘッジファンドの決算で10月相場は小休止

本ブログは記事内に商品プロモーションを含む場合があります

10月も中旬を過ぎての今日この頃。トルコリラ外為市場は、9月からの下落トレンドが小康状態に入り、もみ合いが続いている状況です。それもそのはず。10月のもみ合いや乱高下は、例年の恒例行事とも言えます。

外為取引でも株式でも、10月は乱降下やもみ合いなど、方向間がはっきりしない月です。その原因となるのが、11月に控えた海外企業の決算です。決算を見越しての利益確定が相次ぎ、外資勢の懐事情が強く反映される傾向にあります。今回は、この当たりの事情を踏まえて、トルコリラ外為相場のトレンドを見ていきましょう。

外資系ヘッジファンドの決算期

海外では、企業の年度決算が11月末、12月末に集中しています。この決算期を見通してのポジション縮小が起こりやすいのが10月です。例年、10月中旬から11月にかけて、外資系ヘッジファンドの顧客の解約が相次ぎます。

顧客の解約が始まると、ヘッジファンドはポジションを縮小せざるを得ません。利益確定の売り、もしくは買い戻しの動きが強まります。外為取引のマーケットを動かすのは、ほとんどが外国人投資家ですから、市場も彼らの動向を色濃く反映します。結果、10月はそれまでのトレンドが一旦ストップする傾向があります。

実は、この傾向はトルコリラに限ったことではなく、他の通貨や他の相場でも同様です。例えば最近では、日経平均が大幅下落を起こしたことがニュースになりました。これも、外国人投資家が日本株を決済したことで説明がつきます。半期決算の5月にも同様の株価下落が起きたことが、それを裏付けています。

ヘッジファンドの決済で相場は小休止ヘッジファンドの決済で相場は小休止

一方で、トレンド休止も長くは続きません。次に、決算に向けたラストスパートが控えているためです。一旦、止まったトレンドが、年末にかけて再び動き出します。特に、ヘッジファンドが利益を出していない年には、これが乱高下として相場をかき回すようです。

上記の理由で、トルコリラに限らず、10月は事情を知らない市場参加者を惑わせる動きをします。逆に、この事情を頭に入れておくと、利益確定や新規ポジションを取るタイミングを計りやすく、どっしり構えて待っていることができます。

トルコリラのチャート分析

上記の外資勢の動向を頭に入れて、最近のトルコリラの動きを見ていきましょう。以下は、トルコリラ対ドル(USD/TRY)の日足チャートです。

トルコリラ下落トレンドは小休止トルコリラ下落トレンドは小休止

チャートは上に行くほどリラ売りです。チャートを見ていくと、シリア問題で発生した下落トレンドが一服。現在、小康状態に入っている状況です。

今回は、もう少し詳細に見ていきましょう。以下は、4時間足のチャートです。

トルコリラ4時間足のトレンドライントルコリラ4時間足のトレンドライン

詳細に見ると、もみ合いの域を抜けない、緩やかな下降トレンドが発生していることが分かります。チャートには、トレンドラインを引いてみました。デイトレ派やトラリピ派は、このトレンドラインを見つけられたら、何往復かの利益を上げたはずです。逆張りシグナルのRSIが参考になりそうです。

逆に長期保有派や、筆者のようなスイングトレード派は、このトレンドラインを割った所が勝負所です。トレンドをブレイクした所が新規建てor損切りのポイントでしょう。

参考記事:トルコリラのスイングトレード

11月にトレンド再び

最後に、今後のトルコリラの見通しを予想していきましょう。管理人が予想するのは、トルコリラ下落トレンドの再開です。理由は、冒頭に書いた通り、ヘッジファンドのラストスパートが始まるためだと考えます。

トルコリラ対ドル(USD/TRY)では、年初に付けた最安値USD/TRY=2.38が当面の目標になります。リラ下落予想は、このような明確なレートがあることが一つの理由です。最安レートは多くの市場参加者の頭にあることでしょう。この為替レートを意識しての動きがトルコリラを下落させると考えます。

トルコリラの最安値(週足チャート)トルコリラの最安値(週足チャート)

トルコリラ対円(TRY/JPY)は、少し事情が複雑です。トルコリラ対ドルの相場を見つつ、ドル円レートもケアしなければいけません。トルコリラ円は、以下の通り、クロス円通貨であるためです。

トルコリラ円(TRY/JPY)為替レート=トルコリラ対ドル(TRY/USD)×ドル対円(USD/JPY)

トルコリラ対ドルは、前述の通りリラ売り方向に動いています。一方のドル円レートも下落で、円高方向に動きました。しかし、円高の動きが海外ヘッジファンドの利益確定であるとすれば、再度、円安に動き出しそうです。もっとも、それでもあまり面白味のない展開になります。以下は、簡単なシミュレーションの計算です。

将来レートとして、以下を仮定。

 USD/TRY=2.38(最安値)
 TRY/JPY=110(直近高値)

トルコリラ円(TRY/JPY)の想定レートは、以下計算の通り。

TRY/JPY想定レート
=1/(USD/TRYレート)×(USD/JPYレート)
=1/2.38*110
=46.22

つまり、円安が進んでも、トルコリラ円は現在レートTRY/JPY=47.50より下落。

※この計算は、将来の為替レートを確約するものではありません。

以上を踏まえると、トルコリラ円は下押しの懸念を持って望んだ方がよさそうです。無難な運用としては、長期保有の底値狙いよりも、揉み合いを狙ってのトラリピでしょうか。長期保有の買い増しは、明るい材料が出てからで良いと思います。

参考記事:マネスクジャパンのトルコリラ円でトラリピ

※本コラムは、FX(外為取引)の情報提供を目的として掲載しているもので、取引の強制、勧誘を目的としたものではありません。FXは自己責任です。外為取引は、ご自身の責任の範疇で行ってください。

同じカテゴリーの関連記事
トルコの政策金利推移 コラムとブログ

トルコ政策金利の推移と為替レートの相関関係

2014年2月28日
トルコリラの為替投資戦略
トルコリラといえばスワップポイントの高さが魅力です。多くの投資機関や個人が高い利率に魅力を感じ、トルコリラの購入を検討します。短期的には売りが優勢であるものの、やはりチャンスが …